最低のWindows10

Windows10が最低というわけではない

Windows10 が発表されてから3年ほど経とうとしている。それ以前のバージョンのWindowsを使っている人は、何か特別な理由がない限りさすがにもう切り替えるべきだろう。特に(マイクロソフト自身がなかったことにしようとしている)Windows8系のユーザーは。Windows7のサポート終了も2年後に迫っている。

さて、弊社安原製作所にもWindowsが走るPCが20台ほどはあるが、すべてWindows10に載せ替えてしまった。Windows10を動かすには以下のようなハードウエア要件がある。

Windows 10 のハードウエア要件

プロセッサ: 1 ギガヘルツ (GHz) 以上のプロセッサまたは SoC
メモリ: 32 ビット版では 1 GB、64 ビット版では 2 GB
ハード ディスクの空き領域: 32 ビット版 OS では 16 GB、64 ビット版 OS では 20 GB
グラフィックス カード: DirectX 9 以上 (WDDM 1.0 ドライバー)
ディスプレイ: 800x600

 

安原製作所は90年代から主に自作のPCを業務に使っているのだが、上の要件を満たさないようなハードウエアはとっくに廃棄済みなので、無償バージョンアップ制度を利用し全機種をWindows10に載せ替えたわけである。

 

最低構成のWindows10ハードウエア

さてここで悩ましいノートパソコンが発見された。Dell inspiron mini 9 という機種で、2008年ごろの発売である。当時「ネットブック」というコンセプトのミニPCが市場にあった。出先でちょっとWebページを見たりメールをチェックするという用途に、性能は低くても小さくて安価なPCが求められた。それがネットブックだった。現在ではネットブックという言葉自体が死語になりつつある。その後に現れたスマホやタブレットに取って代わられたからである。 inspiron mini 9 はDell が後発で満を持して市場投入したネットブックである。

 

 

 

 

 

 

 

今見ても非常に美しくコンパクトで愛らしい筐体である。発売当初の価格は5万円前後だったが、まもなく暴落した。私はビックカメラで1万円強で投げ売りされた際に買った。ノートパソコンがこんな値段で買えるようになったと感慨深かった。ちょっとした出張に便利かなと思って買ったのだが、結局使うことはあまりなかった。そのinspiron mini 9 が倉庫の奥で発見されたのだ。

捨ててしまっても良いハードウエアだが、仕様を確認してみるとなかなか悩ましいものであることに気付いた。

 

Inspiron mini 9(910)のハードウエア

プロセッサ: Atom N270 1.6GHz 64ビット非対応
メモリ: 標準 1 GB
ハード ディスクの空き領域: 標準 8 GB
グラフィックス カード: DirectX 9.0c
ディスプレイ: 1024x600

 

これをWindows10のハードウエア要件と比較して「ムラムラ」しない人はパソコン好きとは言えない。Inspiron mini 9 は「最低の」Windows10マシンにできる可能性があるのだ。こういう意味のないことに挑戦して散財するのが正しいパソコン好きの姿である。

 

さっさと実行に移してみる。

 

ハードディスク(本機の場合SSD)が8GBしかないので、要件を満たしていない。試しにWindows10 のインストールを試みたが、容量不足ではねられた。幸いSSDは作り付け(オンボード)ではなく、コネクタに挿す構造なので、交換可能。ただ、このSSDはPATAという希な規格のもので、同時期のネットブックで数機種採用例があるだけ。ネットオークションが発達したおかげで2018年の今何とか32Gのものを手に入れることができた。このRuncore社の32GB SSD、Inspiron mini 9発売当時からその存在は知られていたが大変高価で Inspiron mini 9 の本体価格と変わらなかったと記憶している。

左が元のSTEC 8GB SSD、右がRuncore社の32GB SSD

 

さあ本当にWindows10は走るのか?

 

私のInspiron mini 9 は天板が真っ赤な「チェリーレッド」というタイプ。

 

 

Windows10起動に成功。マイクロソフトの言っていることは嘘ではない。ただ、起動できるというのと使い物になるというのは別次元。Inspiron mini 9 のCPUは最初期Atom の N270 である。動きの緩慢さは推して知るべきである。何しろWindowsボタンをクリックしてもパレットがなかなか開かないので、シャットダウンするにも苦労する有様。

昔からのWindowsユーザーなので、壁紙はすぐこの色に変えてしまう・・・・・・

 

無線Lan経由でYoutubeも視聴可能。ただし途切れ途切れでかろうじてといった状態。CPUの使用率がほぼ100%になってしまうのが再生不良の主な原因である。メモリも倍の2GBぐらいには増やすべき。(N270は2GB以上のメモリは扱えないはず。)

ここ10年でタブレットが発達しネットブック(ミニPC)の存在意義はほぼなくなった。画面サイズが11インチ以上のノートパソコンが実用的なキーボード搭載機として生き残り、それ以下の画面サイズはスマホやタブレットの役割となったのである。実際、キーボードがあまり必要とされないアプリを使うなら、タッチパネル式のタブレットの方がずっと実用的である。

 

これがクソパソ道というもの

Inspiron mini 9にWindows10を載せたところで、私がそれを使うわけではない。もっとこましなノートパソコンは持っている。

どこかに打ち捨てられたパソコンがあれば、昔を懐かしみながら火を入れてみる・・・それがクソパソ道というもの。ただ燃えないごみとして廃棄するのは道を知らない者のすることである。どこに行くのかわからない道だけど、私はこれからも歩むだろう。

 

東に使われていないパソコンがあれば行って電源ボタンを押してやり、

西に時代遅れのクソパソがあれば、そっと部品をアップデートしてやり、

南に壊れて捨てられそうなパソコンがあれば、行って怖がらなくてもいいと言い、

北にパソコン自慢しているクソガキがいれば、つまらないからクソでもして寝ろと言い

褒められもせず、苦にもされず、そういう人間に私はなりたい。

 

eBayでInspiron mini 9 用の英語キーボードパーツを見つけたので買ってしまった。日本に向かっている・・・・・・・。

 

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