「バラパン」って「フラワー」じゃないの?(4)

 

違いはどこに?

バラパンとフラワーはどこが違うのだろう?もう一度構造を見てみよう。

 

ニシカワ・フラワー

 

バラパン(スタンダード)

 

敢えて違いを列挙してみると

  1) バラパンには上部の砂糖衣がない  
  2) フラワーは生地に白黒の縞があるが、バラパンにはない  
     

つまりバラパンはフラワーの簡略版(決して劣化版とは言わない)と言える構造である。砂糖衣を少しかけたのが「白バラパン」で、生地全体を黒くしたのが「コーヒーバラパン」。何かフラワーの特徴を小出しにしてバリエーション展開している感。

 

白バラパン。白バラと名乗るのなら、砂糖衣をフラワーなみにかけてほしいもの。

 

コーヒーバラパン。黒い生地はほとんどコーヒーの味はせず、クリームに多少コーヒーの味が。

白黒の生地が交互に連結され、縞状になるように工夫してあるのがニシカワフラワー。

 

ニシカワ・フラワー

 

生地の味だが、フラワーは「菓子パン」として甘い生地に作ってあるのに対し、バラパンは食パンに近い(というか、食パンそのものなのではないだろうか)。食パン生地を上部が段々になるように焼いて、スライスして巻いたのがバラパンという感想。

 

他にはあるのか?

バラパンとフラワー以外にこの構造のパンはあるのだろうか?私は知らないし、もしどこにでもあるものならバラパンが「ご当地パン」として売り出されることもないと思うので、他にはないのだろう。ちなみにフラワーはニシカワパンが特に力を入れてアピールすることもなく、延々と作り続けられ売られている。

実は私はフラワー好きではない。生来甘いものが好きではないのだ。昼食に学校の購買部でパンを買おうとして、フラワーしか残っていのを見てがっかりした思い出がある。フラワーの重大な問題点は食べ方がわからないこと。巻をほどいて食べるとパンの両側にクリームがついていることになるので、非常に持ちにくい。全体はボリュームがあるので、パクリと一口にすることもできない。夏は上にかかった砂糖衣が溶けるので、一層ベトベト感が増す。工夫に満ちた愛らしい形をしているのだが、全国に一般的なものとして広まらないのは食べにくいという理由からではないだろうか。

 

どちらが先だった?

フラワーとバラパン、こんなに似通ったものが二箇所で自然発生したとは考えづらい(そうでないとも言えないが)。とりあえずどちらが先かを調べてみた。バラパンが生まれたのは昭和29(1954)年だとなんぽうパンが明言している。なかなかの歴史である。それではニシカワ・フラワーはどうだろう。私は少なくとも70年代には加古川のパン屋で見かけていたが・・・・ニシカワパンの通販サイトには

 

 

とある。ニシカワパンの創業は昭和22(1947)年である。バラパン誕生の7年も前のことだ。フラワーがそんなに歴史があるものだとは今頃知った・・・・・。戦後すぐの物のない時期、甘い=美味しいだった頃はフラワーは大層なご馳走だったであろう。

さて、バラパンはWeb上の記事によれば「バラパンが誕生したのは昭和29年のこと。今(2016年)から62年前のことになる。当時の職人が、雨上がりに咲いていたバラを見て、その形をパンにできないか? と試行錯誤を重ねた末に、誕生したのが今の形のバラパンである。」とあるが、そのバラは加古川の駅前に咲いていたのでは?

 

加古川のパンの話です

私はニシカワパンの回し者でも何でもなく、フラワーを食べたことがある一消費者であり、せんのない起源論争をする気はない。ただニシカワフラワーはバラパンに関係なく大昔から加古川周辺に存在しているという話をしてみたかっただけである。ニシカワパンはフラワーを大プッシュしているわけでもなく、三代目は東京にVIRONという超高級店を出店し成功している模様。VIRONにフラワーが置かれることはないだろう。

 

 

 

 

 

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