いつか見たsora (東芝デジカメの記憶) (3)

恐るべき先進性

sora T10 の表側は「フェースパッド」で覆われ、レンズやストロボ発光部があるだけで何もない。これ自体は他のデジカメも似たようなものなのでとりたてて語るようなことではない。

 

 

東芝「sora T10」表面

 

ところがカメラの裏面を見ると恐るべきことに気づく。

 

東芝「sora T10」裏面

 

ボタン類が全く無いのだ。スマホ世代の今の若い子が見れば「何だ、タッチパネル操作か」と思うだけかもしれない。しかしタッチパネル操作の家電はiPhoneによってようやく一般に認知されるようになったわけである。(それ以前のPDAとかは一般的な家電であったとは言い難い。)日本でiPhone3が発売されたのは2008年のこと。ちょうどその頃タッチパネル操作のデジカメがポツポツ出始めた。soraT10はそのはるか前の2002年に発売されているわけだからとんでもない先進性である。世界初のタッチパネル式デジカメなのではないだろうか?

さて、電源を入れてみるとファインダ画像は画面一杯にならず、左下に二回りほど小さく映る。これはどういうことだろうか?

 

 

何にでも液晶パネルが付いている今の時代に生きる子にはわからない話だが、昔は液晶パネルという部品は大変高価で、「大きい液晶パネルを搭載している」というのがデジカメのウリだった時代が何年も続いたのだ。(今はよく使われている大きさのパネルが安いという状況なので、小さなパネルを使うとむしろコストがかかったりする。)背面パネルの対角線長は5.6cm(2.2inch)程度だが、soraT10の公称スペックでは1.6inch液晶モニタ搭載とある。これがファインダ画面の大きさである。それではファインダ画像外側の黒い部分は何のためにあるのか?ただのデザイン上の「かさ上げ」なのだろうか?

ここで昔のタッチパネルについて説明しなければならない。スマホやタブレットを使うことが当たり前の今の子は、「タッチパネルの検出精度」、つまりどの程度の精度でタッチした位置を検出できるかなど考えたこともないだろう。とっくに「実用上十分な精度」に達しているからだ。soraT10は背面パネル全体を4x4=16分割した精度でしか検出できない。ファインダ画面の範囲に限れば3x3=9分割でしか検出できない。それだけではあまりにも使い勝手が悪いので、外側にタッチパネルのエリアを設けているのだ。

 

背面パネルの仕様

 

 

 

 

 

第4話に続く

 

 

 

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