いつか見たsora (東芝デジカメの記憶) (2)

soraというサブブランド

東芝のデジカメにAllegrettoというサブブランドがあることは述べた。soraはもう一つのサブブランド。本格的なデジカメにAllegrettoを付け、カジュアルで普段使いのカメラにsoraを付けようと考えたわけだ。これがsora T10の外観。いわゆる「デザイン家電・オシャレ家電」の範疇であり、カメラとしての伝統的なデザインや使い勝手などが考慮されていないことは一瞥で判断できる。

 

 

東芝「sora T10」

 

このフロントパネル(東芝はフェースパッドと名付けていた)、交換可能で多種が用意されていた。以下の画像は実際に発売されたものであり、コンセプト画像ではない。

 

             
       
             
       
             
       
             
       
             
       
             
           
             
             

 

この時代(sora T10 の発売は2002年)、デジカメはまだまだ高価でこのカメラの価格は3万円ほどだった。それだけ出せば立派なフィルムコンパクトカメラが買えたわけで、「デジカメをカジュアルに普段使いする」という社会的素地はなかった。この商品企画を大企業東芝の先見性と見るか、いつもの「消費者を見ていないコンシューマ製品作り」の産物と見るかは皆さんの判断に委ねる。

結果、sora T10 が大ヒットして様々なフェースパッドを装着した sora T10 が街にあふれることはなかった。少なくとも私は見なかった。

 

 

スペックは及第点なのだが・・・

これが sora T10 のスペックである。

 

 
sora T10 スペック
 
 
製品名 sora T10
撮像素子 1/2.7インチ原色CCD
画素数(総/有効) 214/201万画素
レンズ 35mm換算:38mm
ズーム(光学/デジタル/最大) -/4/4倍
感度 ISO100/200/400相当
最高品質時の最大画像解像度(W×H) 1600×1200ピクセル
シャッタースピード 1~1/500秒
露出補正 あり
ストロボ 内蔵
撮影範囲 40cm~∞,マクロ:20cm~∞
液晶モニタ 1.6インチ
動画記録機能 なし
記憶メディア SDメモリカード(最大256MB)
画像ファイル形式 JPEG(Exif Ver.2.1),DCF準拠,DPOF対応,PIM準拠
電源 単3形電池(ニッケル乾電池,ニッケル水素電池,リチウム電池)/CR-V3リチウム電池×1,別売専用ACアダプタ
撮影枚数の目安 約70枚
PCとのインタフェース USB1.1
対応OS Windows 98/Me/2000/XP,Mac OS 8.6以降
サイズ(W×D×H) 85.5×27.9×72mm
重量 120g
 
     

 

この当時のデジカメとすれば妥当なスペックである。撮像素子(CCD)の有効画素数が201万画素しかなく最高感度がたったISO400なのは普通のことでした。SDメモリーカード(最大256MB)を見て「SDカードの上限は256MBではなく2GBなのでは?」と疑問をお持ちの方、2GBのカードなんてまだ存在していなかったんですよ。(2GBのSDカードが登場したのは2005年頃。)もちろんSDHCやSDXCが登場したのはそのずっと後。試しに512MBのSDカードを入れてみたらちゃんと認識して作動した。しかし2GBのSDカードは認識せず警告音が鳴りっぱなしとなった。

最高画質で撮れば1画像の容量は1MB程度なので、256MBのSDカードなら200~300枚程度撮れる。sora T10 は購入時にSDカードが1枚付属していたのだが、容量は何と8MBであった。(決して8GBの間違いではない。)

 

付属のSDカード。これ以下の容量のものはあるのか?(私は見たことがない。)

 

注目すべきはAF機能である。トイカメラ然としたデザインに単焦点(ズームではない)レンズを搭載しているのだから固定焦点(AF機能なし)だろうと思うところだが、何とちゃんとAFなのだ。20cmまで寄れるので物撮りも可能。だから気軽に持ち歩いて街で見つけたものや食べたものの写真を撮ってSNSに投稿することもできる。・・・・もっともこの当時はブロードバンドすら普及しておらず、Facebokもmixiもありませんでしたけどね。

PCとの接続規格がUSB1.1というのも時代を表している。データ転送にさぞ時間がかかったことだろう。この時点でUSB2.0はまだ普及していなかったのだ。カメラ側のコネクタは mini USB でも micro USB でもない独自規格品であった。

電源は単3型2本で、アルカリ電池でも動くがあっという間にバッテリー切れになってしまう。高価なリチウム一次(使い切り)電池を使うわけにもいかないので、二次(充電式)電池をこまめに充電しなければならなかった。この時代のデジカメは消費電力が大きく、その点ではフィルムカメラに大きく劣っていた。その後数年間の画質向上と低消費電力化によりデジカメはフィルムカメラを完全に駆逐したのであった。改めて言うがこのバッテリー問題からしても当時は「デジカメをカジュアルに普段使いする」ことはできなかった。

 

 

 

 

第3話に続く

 

 

 

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