闇に隠れて生きる 日立デジカメ (3)

ダメ一族

日立デジカメはまだまだ続く。2006年にはHDC-503X,HDC-504,HDC-505W(これらはただの色違いなのだが、なぜか型番が別)が投入され、第三世代に突入する。その後なんと3年間の長きにわたり、ほぼ同じカメラを外見を少しだけ変えて別機種として市場投入し続けた。私はこれら一連の機種を「ダメ一族」と呼んでいる。

 

   
 
HDC-503X ダメ一族

 

   
 
HDC-504 ダメ一族

 

   
 
HDC-505W ダメ一族

 

   
 
HDC-507S ダメ一族

 

   
 
HDC-507B ダメ一族

 

   
 
HDC-508X ダメ一族

 

   
 
HDC-509 ダメ一族

 

ダメ一族は不幸三兄弟と基本的な仕様は同じである。

○ 機械シャッターを持たないCMOSセンサ
○ 固定焦点でAFなし。もちろんズームもなし
○ 底にメモリーカードスロットがむきだし

不幸三兄弟からイメージセンサが変わっている。画素が500万画素に増え、サイズが一回り小さくなった。それに伴いレンズも変更。と言っても相変わらずAF機能を持たない単焦点レンズである。非常に不格好だがレンズバリアが復活したことは進歩である。

ダメ一族はそれまでの日立デジカメと比較して画期的な進歩がある。それはまともに動くようになったことだ。今までの機種、特に HDC-30X や HDC-302slim は欠陥商品でありまともに動かなかった。ダメ一族は性能が非常に低いが写真は撮れるのだ。食べ物に例えれば、今までは腐っていたのが今度はまずいだけで食べられるようになったのである。だから「地獄」や「不幸」ではなく、愛情をもって「ダメ」である。

2006年にもなると一般的なデジカメは機能的にほぼ完成の域に達し、低価格化が進んでいった。それまでは日立デジカメの唯一のアドバンテージは安いことだったが、このころになると安いとも言えなくなってきた。そんな中ダメ一族は2009年ごろまで存在し続けた。カメラに詳しくない人を闇に隠れて待ち続けたのである。

本筋(性能や品質)で勝負ができないので、せめて形だけでも変えて新機種として投入したことは見て取れる。実際こうして時系列に並べて見ると、徐々にデザインが洗練されていることがわかる。しかしこれは中学生で言えば1年生を3年やり直しているようなもので、早く高校に行くなり働くなりしろよと言いたくなる。そもそも日立のデジカメは闇に隠れた存在なので、外観を少し変えたところで誰も気付かないのである。

そしてこの後、あいつらがやってきた。

 

第4話に続く

 

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